Column
えっ!
外壁塗装の塗料ってそんなに種類があるんですか?
どう違うんですか?
外壁塗装や屋根塗装に使用する塗料を作るメーカーは国内でも100社以上あって、様々な種類がそれぞれの価格で販売されています。
塗料は、お住まいにあったものを選ばなければ長持ちしません。
ここでは、塗料の種類や性能についてご説明します。
この記事の目次
塗料を選ぶときにポイントとなるのは、今回の塗装工事でどうなりたいか、何を期待しているかで大きく変わってきます。
長持ち(耐久性)、機能、デザイン、価格・・・
すべて最高ランクで備わっている塗料があれば良いのですが、長持ちする塗料は価格が高めですし、デザイン性の優れる塗料は耐久性は最高でなかったり・・
また塗料のグレード(樹脂)だけで選んでしまうと同じシリコン樹脂でもメーカーによって大きく品質が変わります。
一見お得に見えるけど中身があまり良くなかった・・
とならないように塗料の基本的な部分から知っていただければと思います。
塗料はまず、水性塗料と溶剤塗料に分けられます。
塗料は缶に入っているままの状態ではうまく塗れないものがほとんどです。
ですので塗るときに水やシンナーで溶かして使います。
水性塗料はその名の通り水に溶ける塗料で、溶剤塗料はシンナーで溶ける塗料のことを言います。
いずれの塗料も乾燥するまでは溶けますが完全に乾燥すると水性塗料でも水に溶けることはなくなります。(そうでなかったら雨が降ったら大変ですもんね。)
ここでの大きな違いは水で溶けるか、シンナーで溶けるかの部分になります。
水性塗料の長所はにおいが少ないこと、飛散が少ないこと、肉もちが良いことがあげられます。
短所は耐久性に劣る、鉄部に塗ると錆びてしまう場合があるという点です。
溶剤塗料は一般の建物ですと弱溶剤という塗料が主になりますのでそちらのお話をします。
溶剤塗料の長所は耐久性が優れること、塗装面が平滑で艶に優れることがあげられます。
短所は塗装期間中はにおいがすること、水性より厚みがつきづらいので隠蔽性に劣る場合があることです。
塗料には、1液性と2液性のものがあります。
1液性の塗料とは、その塗料のみで塗ることができる塗料です。
2液性の塗料とは、その塗料と、硬化剤を混ぜ合わせて塗る塗料です。
1液性の塗料は扱いやすいのですが自然乾燥ですので厚塗りすると極端に乾燥が遅くなってしまったりします。
2液性の塗料は混ぜ合わせると、その日のうちに使い切らないと塗料が固まってしまい、ロスが多くなってしまうので施工に注意が必要です。
ただ、厚く塗ったとしても硬化剤と反応することでしっかり固まりますので耐久性は非常に高くなります。
塗料のタイプには、「水性」「溶剤」があり、その中でも「1液」「2液」があるということがわかりました。
一般的な耐久性で言うと
1液水性<1液溶剤<2液水性≦2液溶剤
となります。
樹脂を選ぶ前に塗料タイプをしっかりと確認しましょう。
*主な1液水性塗料
パーフェクトトップ 塗料メーカー・日本ペイント
プレミアムシリコン 塗料メーカー・エスケー化研
*主な1液溶剤塗料
カンペ1液Mシリコン 塗料メーカー・関西ペイント
1液ナチュラルシリコン 塗料メーカー・ダイフレックス
*主な2液水性塗料
パワーオーデフレッシュSi 塗料メーカー・日本ペイント
スーパーセランフレックス 塗料メーカー・ダイフレックス
*主な2液溶剤塗料
ワイドシリコン 塗料メーカー・スズカファイン
ダテフロンプラス 塗料メーカー・ペインターラボ東北
樹脂とは、塗料の塗膜を生成する原料として最も重要な成分で、塗膜の性能を大きく左右します。
ここでは、住宅塗装の仕上げに使われる主な樹脂をご説明します。
ウレタン樹脂
ウレタン塗料は15年くらい前に一世を風靡した塗料で、汎用性が高くリーズナブルなのが特徴です。
塗膜に弾力があるので収縮性に優れ、木部やモルタルなどひび割れしやすい部分に適した塗料です。
耐久性は8年~10年程度ということで現在主流のシリコン塗料に比べ劣っています。
価格もシリコンとほとんど大差がなくなっていることから近年外壁塗装で使用されることが少なくなりました。
シリコン樹脂
シリコン塗料は現在主流になっている塗料で、光沢性、低汚染性に優れます。
耐用年数も10年~15年と十分で、コストパフォーマンスに優れます。
はじめて塗装をご検討されている方や、15年後にまた塗り替えたいとお考えの方におすすめされる塗料です。
フッ素樹脂
フッ素樹脂は耐久性、耐候性に優れる塗料です。
汚れも付きづらく、長期的にお住まいが綺麗でいられます。
耐用年数は15年~20年と長く、メンテナンスサイクルを延ばすことができるのでトータル的にお得になる塗料です。
先ほど紹介した樹脂とは別に、無機塗料というものがあります。
一般的な塗料は有機塗料と呼ばれ、ウレタン、シリコン、フッ素などの樹脂によって塗料の性能が変わります。
塗膜が劣化する原因はこの有機物によるものです。
一方で無機塗料はガラスや瀬戸物のような無機物を配合して作られた塗料でセラミックやケイ素などを主成分とした塗料のことを言います。
想像してみてください。
日差しが強く差し込むお庭にプラスチックの洗濯ばさみとガラスを置いて10年経過させたら。
きっとプラスチックの洗濯ばさみは触ればボロボロになるくらい劣化しているでしょう。
一方ガラスは10年前と同じで劣化していないでしょう。
無機物は紫外線で劣化しないので、耐久性は半永久的といわれています。
無機物100%の塗料であれば劣化しないのですが、実際には硬すぎて塗料として使用できないのでフッ素などの有機物を配合して作った塗料が無機塗料です。
ただ、無機物がどれくらい配合されていれば無機塗料なのかという定義が今はありません。
少しでも無機物が含まれていれば無機塗料と呼んだりすることがあるので、無機塗料を選ぶ際は効果が実証されているものを選ぶなど、注意が必要です。
ラジカル制御型塗料は近年販売が開始された塗料ですが、こちらも樹脂とは別の、性能に対する表現となっています。
ですのでラジカル制御型塗料でもアクリルだったり、シリコンだったり、様々です。
ではラジカル制御とはなんなのか。
外壁は紫外線や雨、風などにより日々少しずつ劣化していきます。
塗膜が劣化すると「チョーキング現象」が起こります。
チョーキング現象とはチョークの粉のように、手で触ると白い粉がつく現象のことです。
外壁に寄りかかったりしたとき服が白くなったことはありませんか?
これは塗膜が紫外線を浴びることによってラジカルという劣化因子を発生しているためです。
ラジカルが発生すると塗料に含まれる白色顔料が分解され白い粉が表面に出てきます。
ラジカル制御型塗料とは塗膜が劣化するラジカル反応を制御する機能が備わった塗料のことを指し、フッ素塗料や無機塗料にもこの機能が備わっているものがあります。
シリコンやアクリルのラジカル制御型塗料の場合は価格が抑えられているものが多いので、費用対効果が非常に高く、これから主流になっていくのではないかと思われます。
上で紹介したものは美観や耐久性というところが主な違いになりますがその他にも塗るだけで外気の温度を遮断する断熱塗料や、太陽の熱を通さない遮熱塗料があります。
塗料の特性上、濃色など選べない色もありますが、断熱効果でエアコンなどの光熱費を抑えることができるので費用対効果の高い塗料であるともいえます。
*主な断熱塗料
ガイナ 塗料メーカー 日進産業
いかがだったでしょうか。
一口に塗料と言ってもかなりの種類があることがわかったと思います。
大切なのは、お住まいにどの塗料が適しているのか、今後どのように住まわれるのかをしっかりと見極めて塗料を選ぶということです。
あなたにぴったりの塗料が選ばれることを願っております。
宍戸 健志(ししど たけし)
株式会社SPS(宍戸ペイントサービス) 代表取締役
厚生労働省技能検定 1級建築塗装技能士
国土交通省技能検定 2級建築施工管理技士
1979年生まれ。宮城県名取市出身。
「妥協のない最高の職人仕事」が信念。「お客様の笑顔」のために磨いてきた塗装の仕上がりは、技術・知識だけでなく、お客様の満足度も宮城県内トップクラスを誇る。
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