Column
タスペーサーとは、スレート屋根(コロニアル、カラーベスト)を塗装する際に、不具合が起きないようにする部材のことです。
今、塗り替えをご検討されているかたで、屋根がスレートという方は非常に多いのではないでしょうか?
スレート屋根は定期的な塗り替えをすることで非常に長持ちする屋根材ですが、塗装の際に屋根材と屋根材の重なり部分のすき間を塗料でふさいでしまうと屋根材の縦の目地から侵入した雨水が排出できなくなり、屋根材裏側に水が溜まってしまい屋根の下地を腐らせたり雨漏りの原因を引き起こすことがあります。
上の画像のように重なりの部分を器具で開けてみると屋根材の裏側にたまっていた水が流れ出てきます。
この水がスレート屋根を傷ませる大敵なのです。
雨漏りをしないようにだったり傷ませないように塗装したのに塗装したのが原因で屋根がかえって傷んだり、雨漏りの原因になってしまってはとても悲しいですよね。
そうならないように従来は塗装した後に「縁切り」という作業をしていました。
縁切りとは、塗装で埋まってしまった屋根材と屋根材のすき間を、皮スキやへら、カッターなどの工具を使って開ける作業です。
この作業をすることで屋根材同士のすき間を確保できるので雨漏りの心配はなくなるのですが・・・
縁切りもいい所だけでなく、デメリットも少なからずあります。
・魂込めて仕上げた屋根を歩いて作業する
私たち職人が気持ちを込めて一生懸命塗った屋根の上を歩いて作業するようになります。
塗装後の屋根は非常に滑りやすく安全面からゴム底の足袋や靴を履いて作業するので足跡が残ってしまう可能性があります。
・へらで屋根を割ったり、塗装を傷つける
仕上げた塗装に工具を差し込んで縁切りするので屋根材が割れたり、傷がついたりしてしまう可能性があります。
そんな不安要素もある「縁切り」をしなくても不具合が起きないように開発されたのが、「タスペーサー」です。
タスペーサーは厚さ2mm、幅4.5cmほどの小さな部材で、これを屋根の塗装を仕上げる前に屋根材と屋根材のすき間に入れていきます。
タスペーサーを使うことで仕上げた屋根に傷つける心配もなく、雨水が屋根材の裏にたまる心配もありませんので屋根材のすき間を作るのに最適な工法と言えます。
ただ・・・
屋根材の縁切りに最適なタスペーサー。
では、タスペーサーは塗装時に必ず使用しないといけないのでしょうか?
答えは、ノーです。
建物の状態によってはタスペーサーの必要がない、むしろタスペーサーをしたせいで不具合が起こる場合があります。
下の写真をご覧ください。
これは私たちが診断に行った屋根の写真です。
前回の塗装で差し込んだタスペーサーが抜け落ちています。
なぜこんなことが起こったのか?
スレート屋根は、紫外線を浴び続けると、屋根材が反り返ってくる特徴があります。
新築時は屋根材の重なりにすき間がなくても、築年数が経過すると自然とすき間ができてきます。
このようにもともとすき間があるものにタスペーサーをいれたらどうなるか。
先の写真のようにずり落ちてしまいます。
屋根全体に入れたタスペーサーが全てずり落ちてしまったら・・・雨樋の中に落ちて詰まりの原因になったりしてしまいます。
このように、塗り替えなどのリフォーム工事は「必ずこうしなければならない」という部分が建物の現状によって大きく変わり、価格もわかりづらいものになりがちです。
ネットなどで様々な情報があり、どれが正しい情報なのか見極めるのは難しいかもしれませんが、診断を丁寧に行いお住まいに適した提案をされる業者を選ばれることが塗装工事の成功の秘訣であると思います。
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