Column
賃貸物件は、立地環境や間取り、交通の利便性などで価値(家賃)が決まり、
それらの条件をもとに選ばれています。
そんな中、清潔感のある物件とそうでない物件があったら、入居者がどちらを選ぶのかは
一目瞭然ですよね。
外壁を塗り替えるには、高額な工事費用も掛かります。
いくら入居率が上がるからといって、すぐに塗り替えるわけにはいかないのも当然でしょう。
そこで、ここではアパートのオーナーさんにとって重要な入居率にかかわる外壁塗装について、
要点をまとめてご紹介させていただきます。
この記事の目次
アパートを塗り替える際の重要な判断基準の一つになるのが「費用」ではないでしょうか。
ここでは、塗替工事の一般的な相場価格についてお伝えします。
塗装費用は塗装面積や外壁の劣化具合、塗料の種類によって変わるため、
素人にはなかなか「妥当な値段」が分かりにくいものです。
そのため、工事を依頼する前に、一般的な相場をあらかじめ把握しておくことをおすすめします。
一般的な2階建てアパート(塗り面積約500㎡)の塗り替え工事を例に、
費用の目安をご紹介します。
ただし、価格は建物の状況や塗料によっても、左右されるため、
あくまで参考程度としてお考えください。
■屋根の塗装工事
屋根の塗装工事は、104万円が目安の相場です。
内容数量(㎡)1㎡あたりの単価相場(円)目安価格 (円)
足場 | 434 | 550 | 238,700 |
飛散防止ネット | 434 | 100 | 43,400 |
廃材処理費・諸経費・他 | ー | ー | 20,000 |
合計 | ー | ー | 302,100 |
内容数量(㎡)1㎡あたりの単価相場(円)目安価格 (円)
高圧洗浄 | 200 | 200 | 40,000 |
養生 | 200 | 100 | 20,000 |
縁切り(タスペーサー) | 200 | 500 | 100,000 |
下地補修 | ー | ー | 20,000 |
下塗り1回目 | 200 | 600 | 120,000 |
下塗り2回目 | 200 | 600 | 120,000 |
中塗り | 200 | 800 | 160,000 |
上塗り | 200 | 800 | 160,000 |
合計 | ー | ー | 740,000 |
足場工事と屋根塗装工事の合計
合計 | 1,042,100 |
■外壁・付帯部の塗装工事
外壁と付帯部の塗装工事は、151万円が目安の相場です。
内容数量(㎡)1㎡あたりの単価相場(円)目安価格 (円)
足場 | 400 | 550 | 238,700 |
飛散防止ネット | 400 | 100 | 43,400 |
廃材処理費・諸経費・他 | ー | ー | 20,000 |
合計 | ー | ー | 302,100 |
内容数量(㎡)1㎡あたりの単価相場(円)目安価格 (円)
高圧洗浄 | 250 | 200 | 50,000 |
養生 | 250 | 300 | 75,000 |
シーリング | 300 | 800 | 240,000 |
下地補修 | ー | ー | 30,000 |
外壁下塗り (シーラー) | 250 | 600 | 150,000 |
外壁中塗り | 250 | 800 | 200,000 |
外壁上塗り | 250 | 800 | 200,000 |
軒天高圧洗浄 | 50 | 200 | 10,000 |
軒天下塗り | 50 | 600 | 30,000 |
軒天上塗り | 50 | 600 | 30,000 |
破風高圧洗浄 | 60 | 100 | 6,000 |
破風下塗り | 60 | 300 | 18,000 |
破風中塗り | 60 | 350 | 21,000 |
破風上塗り | 60 | 350 | 21,000 |
雨樋高圧洗浄 | 100 | 100 | 10,000 |
雨樋下塗り | 100 | 350 | 35,000 |
雨樋上塗り | 100 | 350 | 35,000 |
産廃処分費・諸経費 | 1式 | 50,000 | 50,000 |
合計 | ー | ー | 1,211,000 |
足場工事と屋根塗装工事の合計
合計 | 1,513,100 |
※足場代については、外周62m×高さ7m=434㎡にて計算。
補足として、塗装の見積もりは、足場代等を含め、1㎡あたりの単価で算出されます。
相見積もりなどを取る場合は1㎡あたりの単価で比較できるよう、明確に把握しておきましょう。
次に、塗装費用を大きく左右する塗料について、基本的な種類と特徴、メリットをご紹介します。
他にも断熱や遮熱など、様々な塗料がありますが、高い塗料のほうが耐久性が高く長い目で見るとお得といえます。
迷った場合は希望の条件を業者側と相談するのが良いでしょう。
足場代は、計算式によって求めるのが一般的です。
・一般的な足場代の計算式
足場面積 × 平米単価 = 足場費用
※足場面積=外周の長さ(+0.5×2)×足場の高さ
足場は、建物の外周よりも50~60cmほど離れた場所に組むため、
建物の外周にプラス0.5mを目安に外周を測ります。
外周に足場を組む高さを掛け、600~800円前後の平米単価を掛けたものが
足場費用の目安となります。
価格相場をご覧いただくとよく分かりますが、
足場代も塗装費用の中では、大きなウェイトを占めています。
足場は、屋根と外壁どちらの塗装工事をする場合も必要になります。
「屋根と外壁を同時に工事するとお得」なのは、
このような塗装工事に付帯する費用が一度で済むためです。
「今なら足場代無料!」といったキャンペーンを行う業者も見かけますが、
足場の設置は、本来これだけの費用が掛かるものです。
冷静に考えて、気を付けなければいけない業者であることがお分かりいただけると思います。
アパートのオーナーさんにとって大きな出費となる塗り替え工事ですから、
信頼できる業者に、できる限りお得に依頼したいところです。
そこでアパートを建てたハウスメーカーに依頼した場合、地元の塗装会社に依頼した場合、
それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
■ハウスメーカーに頼むメリット
■ハウスメーカーに頼むデメリット
ハウスメーカーに依頼するメリットは、やはり保証による安心感でしょう。
しかし、実際の工事は下請け、さらには孫請業者が請け負うことがほとんどです。
その分、中間マージンがかかるため高コストになるわけですが、
実際の施工業者に支払われるのは、お施主様が支払った金額の40%程度といわれています。
そのため、「高価格=施工品質の証」ではないことを理解しておく必要があります。
■地元の塗装会社に頼むメリット
■地元の塗装会社に頼むデメリット
地元の塗装会社に依頼するメリットは、
ハウスメーカーに比べ高品質の施工を低価格で受けられるという点にあります。
自社施工のため、中間マージンなどの紹介料が発生することはありません。
ただし、地元の塗装会社のデメリットとして、
保証内容が会社によって様々であることが挙げられます。
そのため、地元の塗装専門会社ならどこでもOKではなく、施工実績や工事の保証内容をしっかり見極めることが大切です。
次に、塗り替えをする際の色選びのポイントや最適な季節についてご紹介します。
アパートを塗り替える際は、低彩度の色を選び、周囲の環境に馴染むことがポイントです。
アイボリーや明るいブラウンは、幅広い世代に人気の色ですが、
好きな色は、世代によっても違いますし、学生向け、女性向け、ファミリー向けなど、
入居者の属性を考慮することも大切です。
加えて、塗装面積や光の当たり方でも色の見え方が変わりますし、
建物全体で統一感を出すために、屋根の色や、窓サッシ、玄関ドアとの相性を
検討する必要もあります。
色選びについては、色のサンプルを元に、シミュレーションすると確かめやすくなります。
塗装工事を行う季節は、断然、春と秋がオススメです。
その理由は、塗装の場合、塗料の乾燥が大切だからです。
乾燥を妨げる大きな要因は
「雨や結露などの水分」「湿度(80%以上)」「気温(5℃以下)」の3つです。
そのため、気温の低下や高い湿度などの心配が少ない春と秋が、
ベストシーズンといわれています。
また、春と秋は塗装作業中に窓を閉め切っていても、
生活の問題があまりないことも理由の一つです。
もちろん、夏と冬は塗り替え工事ができないということではありません。
ただし、春や秋に比べて、より塗装の技術や経験が必要になることは確かです。
夏や冬に塗装工事を行う場合は、業者選びをより慎重に、施工の実績などを含め、
どのような点に注意して作業をするのかなど、詳しく説明を聞き、納得できる業者に依頼するようにしましょう。
アパートのオーナーさんにとっては、入居率と建物の資産価値は気になるものです。
状態が良くてメンテナンスが行き届いている建物は、資産価値を維持向上しやすく、
入居率に与える影響も小さくありません。
特に、塗膜の劣化などは目に見える大きな不具合ではない上に、高額な工事費用も掛かるため、
先延ばしにされがちです。
しかし、塗装は本来、雨風や紫外線などのダメージから建物を守る大切な役割を担っています。
そのため、塗装工事は外観の美しさだけでなく、建物の「資産価値」も保ってくれるのです。
近年では、様々な機能を持った高機能塗料が発売され、
中には、暮らしの快適さを向上してくれるものまであります。
その種類と効果を一部ご紹介します。
この他、セルフクリーニング効果のある塗料などもあり、これらの高機能塗料を使うことで、
住まいの美観だけでなく、快適さも確保することができます。
実際に依頼するとなると、業者選びは、費用や工事に対する信頼度の上で、非常に重要ですよね。
事実、残念なことに塗装リフォーム業界は、悪徳業者が横行しやすいともいわれています。
そこで、良心的な業者の見極め方をご紹介します。
リフォーム瑕疵保険とは、住宅リフォームにおける検査と保証がセットになった、
工事を請け負う業者側が加入する保険です。
これにより、工事の途中で業者が倒産したり、工事内容に欠陥で見つかった場合に、
損害分の料金を受け取る事ができます。
ただし、リフォーム瑕疵保険に登録している事業者でなければ利用できないため、
依頼時に加入してもらうか、できれば加入済み業者を選ぶなどの選択が最適です。
外壁塗装は建設工事にあたるため、基本的には国土交通省の建設業許可が必要ですが、
工事の規模によって、許可はなくてもよいこととされています。
建設業許可がない業者となると、施工品質に不安が残る場合がありますが、
建設業許可取得業者は、国土交通大臣または都道府県知事によって
技術レベルを認定されています。
そのため、これまでの施工に問題がなかったか、適正な工事ができるかどうかなどに
不安がある場合、建設業の許可を確認して塗装会社を選ぶことがおすすめです。
参照:国土交通省 建設業の許可とは(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html)
安心して工事を任せられる業者の見分け方として、
ホームページなどでチェックしてほしいポイントがあります。
これらの条件が満たされている場合、お客様から信頼されている業者かどうか、
また、施工に自信のある業者かどうかを判断する、一つの基準とすることができます。
ホームページで情報収集をされる際は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
どんなにいい塗料、高額な塗料を選んだとしても、
仕上がりの美しさや塗装が十分に性能を発揮できるかは、職人の腕にかかっています。
そういった意味では、職人さんの見極めは、
塗装工事で失敗しないための、最重要ポイントとなります。
まずは、実際に施工する職人さんが、
一級塗装技能士の資格を持っているのかを必ず確認してください。
また、可能であれば、施工中の現場を見学するなどして、
職人さんの施工中の様子や休憩中のマナーを確認し、
お話させてもらうなどして人柄を見させてもらうとより安心できるでしょう。
ここでは、塗装工事に掛かる費用と入居率や収益を上げるポイント、
業者選びのコツについてご紹介しました。
高額な費用の掛かる塗装工事ですから、相場を知ると、
つい費用を抑えることを優先してしまいがちです。
しかし、安かろう悪かろうで、大切な建物の耐久性や資産価値を下げてしまっては、
元も子もありません。
また、塗装工事の場合、直後の仕上がりは良くても、
工事の良し悪しは5~10年後の劣化具合にあらわれるのも厄介なところです。
そのため、長い目で見た条件でご判断いただき、ぜひ信頼できる業者、
安心の職人技術を持った業者にご依頼いただくことをおすすめいたします。
©2024 仙台市・名取市の外壁塗装や屋根の塗り替え 宍戸ペイントサービス. All rights reserved.
0120-983-443受付時間…9:00~18:00
(日・祝日を除く)