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外観を美しく保つだけでなく、屋根の耐久性を高め、雨漏りなどのトラブルを未然に防いでくれる屋根塗装。
大切な住まいを快適に保つためには、実際に劣化が始まる前に屋根の状態をチェックし、最適な塗装時期を知ることが大切です。
また、屋根材や塗料の耐用年数をすぎてしまっている場合は、遠目には変化がなくても劣化が進んでいることがあり、塗り替えが必要となります。
この記事では、住宅の屋根塗装について紹介していきます。
屋根塗装を実施する理由に触れつつ、屋根塗装を実施するタイミングの見極め方や費用など、屋根塗装をおこなう際に知っておくべき内容についてお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
住宅の屋根に屋根塗装を実施した場合、さまざまな効果が得られるようになります。
屋根塗装をおこなう目的について紹介していきます。
屋根塗装をおこなった屋根とおこなっていない屋根とでは見た目が大きく異なります。
屋根塗装に用いる塗料にもよりますが、屋根塗装をおこなった屋根の方が、高級感が増して見た目がよくなります。
また、屋根材の劣化を防ぐのも屋根塗装の役割の一つです。
屋根塗装を実施することで、美しい屋根の状態を長期間に渡り保つことができるようになります。
屋根塗装を実施して屋根材に塗料を塗った場合、塗膜と呼ばれる薄い膜が張られます。
この塗膜は屋根材を保護し、雨水の侵入を防いでくれる効果があるため、屋根塗装を実施すると防水効果が期待できるようになります。
ただし、すでに雨漏りしている場合には屋根材そのものの劣化が起きているため、塗装によって解消することはできません。
劣化が起こる前に定期的に塗装を行うことで、防水効果を期待できます。
屋根は、雨だけでなく風にも24時間365日さらされています。
風によって運ばれてくる砂や細かなゴミが付着すると、屋根材の劣化を早めます。
定期的な屋根塗装をおこなわずに塗膜が劣化している場合は、屋根にゴミが付着したり砂が溜まったりすることにより、屋根が傷ついたり水分を含みやすくなってしまいます。
防塵効果の高い塗料を使うと、さらに防塵効果が期待できます。
屋根塗装に使用される塗料の中には、遮熱効果を備えている塗料もあります。
そういった塗料を用いて屋根塗装をおこなえば、建物の気温の上昇や低下を防げるようになりますし、冷暖房の効きも向上します。
屋根塗装をおこなう上で見極めるのが難しいのが、塗装を実施するタイミングについて。
ここからは、屋根塗装の劣化のサインの説明もまじえながら、屋根塗装を実施するべきベストなタイミングの見極め方について解説していきます。
屋根の塗り替えのベストなタイミングは住宅によって異なります。
そのため、実際におこなう場合は業者にチェックしてもらった上で判断するべきですが、目安としては、築年数が10年を経過している住宅は屋根の再塗装を検討されることをおすすめします。
なぜなら、屋根塗装に使用されている塗料の耐用年数の平均が約10年だからです。
耐用年数をすぎると塗装の効果が弱まり、住宅への影響が予想されるようになるため、屋根の塗り替えを検討する必要があるといえます。
先ほども解説したとおり、屋根塗装には耐用年数があり、耐用年数をすぎると劣化が始まります。
ただ、お住まいの地域や環境によっては耐用年数よりも前に劣化が始まることも。
劣化のサインが見られるようになった場合は、たとえ築年数が10年以内だったとしても屋根塗装を検討するべきです。
ここからは、屋根や屋根塗装に見られる代表的な劣化のサインについて紹介していきます。
①屋根材やその他の部位の劣化が目立つ場合は今すぐ修繕と塗装が必要
住宅の屋根に、以下のような症状が見られる場合は、今すぐに屋根の修繕を実施しなくてはいけません。
このような症状は、屋根の塗装だけでなく、屋根そのものの劣化が相当進んでしまっているサインです。
そのため、専門の業者に依頼して修繕してもらい、その上で屋根塗装を実施する必要があります。
②苔や藻、カビ、屋根材の劣化が確認できる場合は早めの実施を
住宅の屋根に使用されているスレートなどの屋根材に苔や藻、カビが発生している場合は、屋根塗装をできるだけ早めに実施する必要があります。
なぜなら、既存の塗料の塗膜が劣化して、防水効果が弱まっている状態だからです。
その状態をそのまま放置してしまうと、屋根材はもちろん、住宅の内部へ悪影響を及ぼしてしまいかねません。
また、瓦に反りやヒビ割れが見られる場合は、該当する瓦を交換するなどの修繕も必要になります。
③屋根材の色あせが確認できる場合は要検討
屋根全体が色あせていたり、一部分が色あせている場合は、焦って対応する必要はありませんが、屋根塗装の実施を検討するべきタイミングだといえます。
屋根材の色あせは、屋根塗装に使用されている塗膜の劣化を示すサインの一つで、初期にあらわれるサインです。
放置していると劣化が進みますので、できるだけ早いタイミングで屋根塗装を実施する必要があるといえます。
屋根の状態を確認したいからといって、屋根に上がるのは危険です。
屋根の状態を確認したいのであれば、住宅から少し離れた場所に移動して確認するようにしてください。
ある程度離れれば、屋根の一部分だけでも確認できるはずです。
また、2階建て以上の建物で1階部分に屋根がある場合は、1階部分の屋根の状態を確認し、判断するようにしてください。
日本の住宅の屋根には、さまざまな種類の屋根材が使用されています。
中には屋根塗装が必要ないタイプの屋根材も。
日本の住宅に使用されている代表的な4つの屋根材について紹介していきます。
一昔前から主流になってきているのがスレート屋根です。
スレートは、セメントや繊維を混ぜ合わせる形で製造されるため、軽くて施工しやすく、価格も安いというメリットを持っています。
スレートの屋根材は開発当初、耐久性を高めるためにアスベストを含んだものが広く普及しました。その後、アスベストの健康被害が報告されるようになり、アスベスト入りのものは使用が禁止となりました。
現在では安全で高耐久なノンアスベストのスレートが流通していますが、1990年頃から2004年頃までの移行期に販売されたノンアスベストのスレートは、準備不足で耐久性に必要なアスベストを単に抜いただけで商品化したものが多く、非常にもろく危険です。
劣化も早く、7~8年で劣化してヒビや欠け、割れが生じたり、ミルフィーユ状に屋根材本体が剥離してしまうこともあります。
移行期のノンアスベストのスレート屋根には塗装ができず、葺き替えもしくはカバー工法が必要となりますのでご注意ください。
名前のとおりセメントやコンクリートを硬化させて瓦状に整形しているのが、この「セメント瓦」です。
さまざまな形状があり、価格も安いため以前は多くの住宅の屋根に使われていましたが、現在ではガルバリウム鋼板など低価格で耐久性が高い屋根材が主流となり新築での施工は少なくなりました。
昔から日本の住宅に採用されてきたのが、粘土が主成分になっている日本瓦です。
粘土質の成分を高温で焼き上げているため非常に耐久性が高く、変色しづらいという特徴を持っています。
ただ、非常に重いため施工するのが難しく、価格も高めです。
一昔前まではトタンと呼ばれるもので、経年でサビが発生しやすいものしかありませんでしたが、今ではアルミが主成分のガルバリウム鋼板タイプの屋根材が登場し、主流となっています。
どの屋根材よりも軽く、住宅に負担をかけないという特徴を持っています。
今回紹介させてもらった4つの屋根材の中で屋根塗装が必要ないのが、日本瓦などの粘土系の屋根材です。
色あせが気になる場合などは粘土系の屋根材にも屋根塗装が施されることもありますが、基本的には屋根塗装を実施しなくてもいい屋根材となっています。
ここからは、屋根塗装の流れや用いられる塗料、屋根の修繕方法について解説していきます。
屋根塗装をおこなう場合、以下のような流れで実施していきます。
足場の設置
高圧洗浄
下地の補修・処理(金属屋根は目荒らしする)
養生・シーリング
下塗り・下塗り2回目(スレート屋根、セメント瓦、コンクリート瓦)
縁切り(スレート屋根)
中塗り
上塗り
確認・片付け・足場解体
業者によって若干異なる場合はありますが、基本的にはこのように流れで工事が進められていきます。
屋根塗装に使用される代表的な塗料としては、以下の4つがあげられます。
塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|
シリコン塗料 | 8~12年 | 耐久性が高い 実績が豊富 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 耐久性が高い 価格が高いが耐用年数が長く コストパフォーマンスは高め |
無機塗料 | 15~20年 | 耐久年数は最高 コストパフォーマンスが最も良い |
断熱・遮熱塗装 | 10~15年 | 機能性 夏の暑さや冬の寒さを軽減 エアコンなどの電気代をおさえられる |
この中で最も人気が高いのはフッ素塗料です。
一度の塗り替えで長持ちさせたいなら無機塗料、定期的に塗り替えてきれいな状態を保ちたいならシリコン塗料、快適に過ごしたいなら遮熱・断熱塗料を選ぶといいでしょう。
屋根の修繕をおこなう場合、屋根の再塗装以外にもいくつか修繕方法があります。
屋根の状態によっては屋根塗装ではなく、それらの修繕方法で対処することになるのでチェックしておきましょう。
①カバー工法
カバー工法は、既存の屋根材の上に防水シートを設置し、さらにその上から新しい屋根材を設置する方法です。
屋根材の劣化が激しく屋根塗装で対応できない場合に用いられる方法で、既存の屋根材を撤去しない分、スピーディーに施工できますし、価格も安くなります。
②葺き替え
葺き替えは、既存の屋根材を撤去した上で、防水シートと新しい屋根材を設置する修繕方法です。
先ほど紹介したカバー工法で対応できない屋根材や、住宅の構造上カバー工法を採用できない場合は、葺き替えで修繕をおこないます。
屋根の修繕に用いられる3つの工法を5つの項目で比較した場合、以下のようになります。
(★はそれぞれの項目で比較した場合のメリットの度合いを表しています。)
比較項目 | 屋根塗装 | カバー工法 | 葺き替え |
---|---|---|---|
費用 | 安い ★★★★★ | 葺き替えよりは安い ★★★ | 高い ★ |
工期 | 短い ★★★★★ | 葺き替えよりは短い ★★ | 長い ★ |
耐震性 | 影響なし ★★★ | 低い ★★ | 屋根材によって異なる ★★★ |
断熱効果 | 塗料によって異なる ★~★★★★★ | 高い ★★★★★ | 屋根材によって異なる ★★★ |
防音効果 | 塗料によって異なる ★~★★★ | 高い ★★★★★ | 屋根材によって異なる ★★★ |
耐久性については採用する塗料や屋根材によるので、業者に確認するようにしてください。
屋根塗装をおこなう場合の坪数ごとの費用の目安は以下のとおりです。
坪数 | スレート瓦 | セメント瓦 | トタン |
---|---|---|---|
30坪 | 43~55万円 | 39~51万円 | 35~47万円 |
50坪 | 67~87万円 | 61~81万円 | 54~74万円 |
70坪 | 87~114万円 | 85~113万円 | 76~104万円 |
100坪 | 130~170万円 | 117~157万円 | 104~143万円 |
屋根塗装にかかる費用は、依頼する業者、使用する塗料、塗装面積によって異なります。
また、上記の費用には、
なども含まれます。
ただ、あくまでも目安ですので、正確な費用が知りたい場合は業者に問い合わせて確認するようにしてください。
屋根塗装をおこなう場合、ほとんどの方が費用を抑えようとする傾向にあります。
もちろん費用を節約しようとすること自体は悪いことではありませんが、予算がないからといって何でもやっていいわけではありません。
予算がない場合であってもやるべきではない3つのことについて解説していきます。
屋根塗装にかかる費用を抑えるためになるべく安い業者を探すのは決して悪いことではありません。
しかし、中には信じられないような価格で屋根塗装をおこなっている業者もいます。
屋根塗装の費用が相場よりも極端に安い業者の場合、
などの方法で低価格を実現しているので、依頼するべきではありません。
施工不良などのトラブルも起きやすいので、極端に安い価格で工事をおこなっている業者は避けるべきだといえるでしょう。
屋根塗装に使用される塗料にはさまざまな種類があり、安価な塗料もあれば高価な塗料もあります。
無理に高価な塗料を選ぶ必要はありませんが、アクリル塗料などのグレードの低い塗料を選ぶと耐用年数が10年以下になって再塗装のサイクルが短くなってしまい、結果的に高くついてしまいます。
そのため、予算がなかったとしてもグレードの低い塗料はなるべく避けるようにするべきだといえるでしょう。
「屋根塗装の費用の目安・相場」の項目でも紹介したとおり、屋根塗装は数十万円~数百万円の費用がかかるリフォーム工事です。
そのため、少しでも費用を浮かせようとDIYで対応できないかと考える方がいますが、屋根塗装をDIYでおこなうのは大変危険です。
高所での作業になるので命の危険すらあります。
また、技術や知識のない方が無理に対応を進めると事態を悪化させてしまいかねませんので、必ず専門の業者に任せるようにしてください。
屋根塗装については、宮崎県南部は春・梅雨・夏・秋・冬通して1年中塗装工事が可能です。
それぞれの季節ごとのメリットとデメリットをご紹介します。
季節 | メリット | デメリット |
---|---|---|
春 | 気温や天候が安定しているため、希望通りの工事日数で進めやすい | 塗装工事の繁忙期なため、細かい日程調整ができない場合や、GWに工事がかぶる場合がある |
梅雨 | 塗装工事の閑散期のため、お得なサービスが受けられる場合がある | 雨や湿度の高い日が多いため、工事日数が長引く場合がある |
夏 | 気温が高く塗料の乾燥・硬化が早いので予定よりも作業が進行しやすい 日照時間が長いので作業時間を十分に確保できる | 塗装工事中は窓が開けられないのでエアコン等の空調機器がないと家の中が暑い お盆に工事がかぶる場合がある |
冬 | 乾燥している日が多いため、塗料の密着がよい 塗装工事の閑散期になるのでお得なサービスを受けられる場合がある | 気温が5℃以下は塗装ができないので全体的に工期が長くなりがち |
どの季節にもメリットとデメリットがあるので、優先度に合わせて選びましょう。
どの季節かで悩むより、その日の気温や湿度などの条件をしっかり見極めてそれに合った作業をしてくれる業者を選ぶことが大切です。お住まいの方が塗装工事をしたい!と思ったタイミングがベストです。
屋根塗装は、住宅にさまざまなメリットをもたらしてくれます。
住宅の築年数が10年以上経過している場合は、既存の塗料の耐用年数がすぎてしまっていることが予想されるため、改めて屋根塗装の実施を検討するべきだといえるでしょう。
相談や診断、見積もりの作成は無料でおこなってくれる業者がほとんどです。
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